化粧品成分にエタノールという文字が書かれていることが多いですが、エタノールは肌に悪いと思っている人はとても多いです。エタノールというと、病院で消毒に使われている成分をイメージしますが、実際のところどうなのでしょうか?
エタノールは体質によって合う合わないがある
化粧品で使われているエタノールは、エチルアルコールのことを指します。理科の実験で使ったあるオイルランプに使われていて、火を付けるための燃料になります。
一般的な化粧水に含まれるエタノール含有量は水80%程度、エタノール10%程度で、保湿成分数%、他に乳化剤や防腐剤などが含まれます。
エタノールは皮膚から吸収されることは低く、体内に蓄積することもないので毒性はないとされていますが、使う人の肌質、その時の状態、使い方によりデメリットとなることがあります。
- 外部からの刺激を守る肌のバリア機能低下
- 肌の水分が蒸発して乾燥に傾く
- 元々アレルギーがあれば反応することがある
エタノールは化粧品を保存する上で必要なものですが、元々アルコールのアレルギーのある方や敏感肌、乾燥肌にとってはメリットが逆にデメリットになる危険性があります。
身体への働き … 清涼感・収れん・脱脂
エタノールには揮発性があり、蒸発する際に熱を奪うため清涼感があります。収れん作用による毛穴、肌への引き締め効果、抗菌作用でニキビケアに効果を発揮します。
デメリットとしては刺激を感じることがあり、特に敏感肌の人が使うと刺激を感じやすいです。またエタノールの揮発性には皮脂を落とす作用があり、これはオイリー肌の人には嬉しいものですが、皮脂を取りすぎることがあるのです。
特に乾燥肌の人は注意です。必要以上に皮脂を落とすと肌に本来必要な皮脂までなくなってしまい、乾燥を招いたり過剰な皮脂分泌が行われている可能性があります。
エタノール配合の化粧品で刺激を感じたり乾燥が気になる人は使わない方がいいです。決して有害な成分ではなく悪い成分ではないですが、人により合う合わないがあるということです。
配合の目的 … 殺菌・防腐・溶解
エタノールはそのまま化粧品に配合されるだけでなく、植物からエキスを抽出する際に使用されることもあります。
植物エキスの抽出にエタノールが使われている場合、成分表示は後ろに表示されていたら肌への刺激は弱いですが、人によっては1%でも刺激を感じることがあるので注意が必要です。
また配合量を増やすと殺菌作用があり防腐剤代わりになります。普通肌や脂性肌の人はアルコール成分に向いていますが、敏感肌や乾燥肌の人は不向きであることは間違いありません。
アルコールフリー=エタノール不使用
化学物質としてのアルコールには非常に多くの種類があります。エタノール、フェノキシエタノール、ステアリルアルコール、コレステロールなどアルコールの一種です。
ただ化粧品の世界ではアルコールという場合、ほとんどエタノールを指しています。つまり、アルコールフリーということは、エタノールを使っていない製品ということです。
ノンアルコール化粧品、アルコール無添加と言われることもあります。
次回はエタノールをはじめ、合成色素、合成界面活性剤、防腐剤、合成溶剤無添加の国産オーガニックコスメがリニューアルされましたので、ご紹介します。