歯周病は高齢者の病気だと思っていませんか?歯周病は、歯と歯の境目にあるすき間、歯周ポケットが4mm以上に達した場合をいいますが、25~34歳でなんと約20%もいるのです。
若いからと油断は禁物で、歯周病は20代から急増しているのです!
そもそも歯周病とは?
歯周病には、炎症が歯肉に限局した歯肉炎と、歯を支えている歯槽骨が破壊されて歯を失ってしまう歯周炎があります。歯周病は、成人が歯を失う最も多い原因です。日本の40歳以上では半数以上に認められ、患者の割合は年齢とともに増加します。
歯周病の原因は歯の表面に付着しているプラーク、いわゆる磨き残しの歯垢です。歯磨きで簡単に取り除けるため、ブラッシングが最も大切になります。
喫煙は歯肉の抵抗力を低下させます。
歯周病は、生活習慣が深く関係した病気です。現在、歯周病との因果関係がはっきりわかっているのが喫煙と糖尿病です。タバコを吸うと歯肉の血行が悪くなり、歯肉の細菌に対する抵抗力が低下して、歯周病菌に侵されやすくなってしまうのです。
歯周病と糖尿病の関係
糖尿病を患う方は歯周病になりやすいことがわかってきました。糖尿病は、血糖値の高い状態が続くために、全身の血管がもろくなり、抵抗力が落ちる病気です。糖尿病を持っている人は、歯肉の血管も同様で、歯周病菌に侵されて重症になりやすいといわれています。
逆に、歯周病を治すことで、糖尿病の悪化が抑えられることもわかってきています。毎日ケアを行い口の中の健康にも気をつけましょう。
女性ホルモンの影響で増える歯周病
女性で知っておきたいのが、歯周病と女性ホルモンの関係です。女性ホルモンの働きが活発になる歯肉炎があります。
女性ホルモンには、ある特定の歯周病菌の増殖を促したり、歯周組織の炎症を悪化させたりする作用があることが分かっています。これは、歯肉がぶよぶよに腫れ、歯ブラシがちょっと当たっただけでも出血するので、すぐに気がつくはずです。
女性ホルモンの分泌は生活環境によって変わります。女性の場合加齢によるものだけでなく、ホルモンバランスが大きく変化するために歯周病になりやすい時期が何度か訪れます。
それは、思春期と妊娠・出産、更年期の大きく3つです。また、普段の月経周期でもホルモンバランスは変化するため、生理前に歯ぐきが腫れたりする人もいます。
妊娠中に歯周病になると、早産になったり、低体重児が生まれるリスクが高まることがあります。その危険率は実に7.5倍です!タバコやアルコールなどよりもはるかに高い数字といわれています。
妊娠中は歯の治療を受けない方がいいということはありませんので、歯肉の腫れなどに気づいたら、安定期に歯科医院で治療を受けましょう。こういった女性特有の歯周病のリスクを理解して、適切なケアをすることが大切です。