肌は体全体を覆っている皮膚のほんの一部分ですが、体を細菌やウイルスなどから守ってくれる大事なバリア機構です。
だから理想的な肌とは、湿疹ができにくい、かぶれにくい、傷の治りが早い、ニキビやアトピー性皮膚炎になりにくいなど、丈夫な肌のことを指すのだと思います。
美肌を作るためには、皮膚の材料になる栄養素やトラブルから肌を守るための必要な栄養を摂り続ける必要があります。
肌の構造【表皮・真皮・皮下組織】
肌は「表皮」 「真皮」 「皮下組織」の3層で成り立っていますが、これはベッドの構造に似ています。
- 表皮 … 皮膚の上層部にある表皮はシーツのようなものでみずみずしさを保つ保護作用があります。
- 真皮 … ベッドで言うとスプリングです。ハリや弾力、肌の明るさを調整する場所です。
- 皮下組織 … クッション的な役割を果たしますが、これがないと体温調節がうまくいきません。
また、肌は皮脂膜でおおわれています。皮脂膜とは、体内の水分と皮脂から出る油分が混ざって作られる膜で、ナチュラルモイスチャー(NMF)とも呼ばれ、保湿や殺菌作用があり、天然の保護クリームとも言えます。
皮脂膜を作るのは肌にすみついている常在菌ですが、この常在菌がいなければ肌のバリア機能が低下して、カサカサの乾燥肌になってしまうのです。
肌をゴシゴシ激しく洗ったり、洗浄能力の高い洗顔料を毎日のように使っていたら、常在菌まで除去されてしまい、潤いのない肌になってしまうことがあります。洗顔の仕方にも注意してくださいね。
私は敏感・乾燥肌ですが、バリア機能が低下しやすく、ちょっとした外部からの刺激を感じやすいというのと、皮脂膜を作る機能が元々の肌質で弱いのかなと感じています。というのも、何もお手入れをしないとカサついてくるので…。
美肌を作る7大栄養素
表皮・皮脂膜・粘膜は、私たちが食べたもので作られますが、美肌作りに必要な栄養で代表的なのは次の7つです。
- 肌のを作る大事な材料【たんぱく質】
- 女性の美容と健康維持に不可欠【鉄】
- コラーゲンを生成するために重要【ビタミンC】
- 表皮をイキイキとさせアレルギーを抑制する【亜鉛】
- 表皮細胞の分化に働きニキビ跡の修復に有効【ビタミンA】
- 若返りのビタミンと呼ばれる【ビタミンE】
- 皮膚科のビタミンとされ、栄養代謝に必要な【ビタミンB群】
この7つの栄養素の中で、今回はたんぱく質についてご紹介します。
たんぱく質は美肌を作るのに重要な栄養素
美肌を作る上で必要なのは、たんぱく欠乏を起こさないことです。なぜなら、たんぱく質は理想的な肌を作る役割をしている、重要な栄養素だからです。
たんぱく質は皮膚を再生するための大事な材料なので、不足すると細胞がうまく活性化できずに減少してしまうのです。
肌をプルプルにしてくれる成分といえばコラーゲンですが、これを作るにもたんぱく質が必要なのです。これは、たんぱく質が不足すればコラーゲンも弱くなり、肌のハリや弾力が失われることになるのです。
肌以外にも体のいたるところに必要な栄養素でもあるので、毎日きちんと補わないと不足してしまいます。たんぱく質を1回の食事で摂取したいのは、①肉を約100g、②魚を約100g、③卵を1個、④豆腐1/2丁、納豆約100g、この4つの中から2つ選ぶぐらいが目安です。
コレステロールを気にする人がいるかもしれませんが、コレステロール値はむしろ高めの方が元気で若々しくいられるという研究データもあります。だから、「肉や卵を食べ過ぎていいのだろうか…」と心配する必要はありません。